アキュフェーズ DP-570 は、リファレンスモデルのDP-750の開発で培ったテクノロジーを惜しみなく投入
し、上級機に迫る性能と音質を実現した一体型SACDプレーヤーです。
一歩進んだ最先端テクノロジーを携え、演奏家が奏でる音楽の潤いやみずみずしさを感じさせるSA-CD/CDプレーヤーとして完成しました。
トランスポート部は、振動や共振を限りなく排除した重量級構造をさらに進化させ、光学ピックアップをフローティングする新開発「弾性ダンパー」を採用したトラバースメカと静寂で気品漂うローディングメカを搭載した高剛性/高精度の「SACDドライブ」により、ディスクに刻まれたデジタル信号を高い精度で
読み取ることができ、次のD/Aコンバーター部へと信号を届けます。
●外部振動を受けにくい強固なシャーシ構造体
トラバース・メカニズムのモーターが発生する振動と、トラバース・メカニズムの外部から伝わる振動が共振を起こすと、大きな振幅の振動が発生します。
SACDはデータの記録密度が高くCDより高速回転でデータの読取りが行われるため、わずかな振動でも読取り精度に大きな影響を与えます。
2枚のスチール・プレートの間に樹脂シートを挟むことで、優れた振動減衰特性を実現した三重構造のボトム・プレートに、
剛性の高いSA-CD/CDドライブを固定することで、強固なシャーシ構造体を構成、
トラバース・メカニズムに外部から伝わる振動を大幅に抑え、共振を起こりにくくしています。
剛性の高いSA-CD/CDドライブ
読み取り精度に大きな影響を与える対物レンズ・アクチュエーターの共振についての研究をさらに進め、共振周波数での振動の伝達を大幅に抑えるブチルゴム系「弾性ダンパー」の開発に成功しました。
「弾性ダンパー」によって支えられたトラバーズ・メカニズムは、ディスクに刻まれた情報を高い精度で読み取ります。
またDP-570はディスクの回転で発生する回転音や風切り音を抑え、回転機構の存在を感じさせない静寂性を実現しています。
「弾性ダンパー」によって支えられたトラバーズ・メカニズム
●『弾性ダンパー』によるフローティング構造のトラバース・メカニズム
トラバース・メカニズムはディスク・ローディング・メカニズムの内部にあり、ディスクを回転させるモーターやピックアップといった光学系部品が実装しています。
外部からトラバース・メカニズムに特定の周波数の振動が伝搬すると、対物レンズ・アクチュエーターが共振し、読み取り精度を悪化させます。トラバース・メカニズムを共振から守る緩衝材の素材や形状を研究、新たにブチルゴム系高性能『弾性ダンパー』を開発しました。
本機では4個の『弾性ダンパー』がトラバース・メカニズムを支えるフローティング構造を採用し、固有振動数において、従来機種に比べてフォーカス方向で約8dB、トラッキング方向で約6dB、振動の伝達率を減少しました。
更に、この『弾性ダンパー』は外部へ漏れる動作音の削減にも大きな役割を果たします。ディスクの回転により発生した振動がシャーシに伝搬すると、シャーシが共鳴し動作音を増幅しますが、『弾性ダンパー』はこの振動伝搬を抑え、シャーシ共鳴の大幅な削減にも貢献、回転機構の存在を感じさせない静寂性を実現しています。
MDS+やデジタル入力回路を搭載したDACアッセンブリー
●デジタルプロセッサー部
デジタルプロセッサー部は、評価の高いDP-750と同じ高性能ESS社製DAC「ES9028PRO」を4回路並列駆動し、独創的な「MDS+再生方式」を搭載して変換誤差を低減し、一層の低歪率化と低雑音化を図るなど諸特性を大幅に改善、無限の可能性を秘めたSACDのポテンシャルと魅力を100%描き出します。
新たに「プログラム再生機能」を追加し使い勝手を向上させました。デジタル入力端子には、HS-LINK
(Ver.2対応)、同軸、光、USB (PCM:384kHz/32bit、DSD:11.2MHzまで対応)の4系統を装備しています。
DAC「ES9028PRO」
DP-570では評価の高いDP-750と同じ高性能DAC:ES9028PRO(ESSテクノロジー社製32bitDAC)を4回路並列で駆動することで、高い純度のアナログ信号へと変換します。
●SA-CD/CDドライブの強度を増し、遮音性の高い大型ブリッジ・カバー
大型ブリッジ・カバーはディスクをスピンドル・モーターに固定するためのチャッキング機構を収納。3種類のパーツで2つの空気層を挟んだ5層構造になっており、遮音性や強度を増すと同時に共振を防いでいます。
このブリッジ・カバーをSA-CD/CDドライブのメカ・ベースに固定することでSA-CD/CDドライブの強度を上げ、外部からの振動の影響を防止。また、ディスクには少なからず偏心や反りがあるため、高速回転させるとさまざまな振動音や風切り音が発生しますが、ディスク全体をブリッジ・カバーが覆うことで、これらの振動音や風切り音が外部に漏れるのを防いでいます。
●1レンズ/ツイン・レーザーダイオード高速アクセス・メカニズムを搭載
信号読取りレーザー・ピックアップには、1つのレンズに発光波長655nm(SACD用)と790nm(CD用)の2種類のレーザー・ダイオードを配置した、1レンズ/ツイン・レーザーダイオードを搭載。
SA-CDとCDで共用してピックアップ全体の小型化を図ることにより、SA-CD/CDの切り替え時間およびアクセス時間を短くすることができます。
さらに、音質を劣化させる原因の一つである、ピックアップ制御用サーボ電流の変動を大幅に減らすことができ、高精度で信号を読み取り、ディスクの情報を十分に引き出すことが可能になりました。
●高品位ディスク・トレイを搭載した静寂でスムーズなディスク・ローディング機構
アルミ・ブロックを削り出して、硬質アルマイト処理と梨地処理を施し、ハイエンドSA-CD/CDプレーヤーに相応しい優美で精巧なディスク・トレイを採用。
専用モーターと複数ギアでコントロール、シングル・ステー構造のスチール製ベアリングシャフトにより、静寂スムーズに移動するローディング機構を実現しています。
●振動減衰特性に優れた三重構造のボトムプレート
構成する全てのパーツを支えるボトムプレートは、振動減衰特性が特に優れていなければなりません。
ボトムプレートは1枚のスチール・プレートではなく、固有振動周波数の異なる2枚のスチール・プレートを樹脂シートで挟んだ三重構造を採用し
固有振動周波数の異なる2枚のスチール・プレートが、樹脂シートを挟んでこすれあうことで、振動エネルギーを摩擦熱に変換し振動を減衰しています。
また、このボトムプレートにより筐体下部の重量が増え、重心が下がり、目には見えないわずかな筐体のふらつきを防止する効果もあります。
さらに重心を下げるため、ボトムプレートの下部にはくぼみを設けて、SA-CD/CDドライブを可能な限り低い位置に搭載しています。
●4回路並列駆動の『MDS+方式D/Aコンバーター』
出力のD/Aコンバーターに、驚異的な性能・音質を誇る『MDS+方式D/Aコンバーター』を搭載。
MDS+方式は、刄ー(デルタ・シグマ)型D/Aコンバーターを複数個並列接続することで、大幅な性能改善を図った画期的なコンバーターです。
変換精度やSN比、ダイナミック・レンジ、リニアリティ、高調波ひずみなど、コンバーターにとって非常に重要な特性を一挙に向上させることが可能。
4回路の高性能『ハイパーストリーム?DAC』(ES9028PRO:ESSテクノロジー社製)を並列動作、コンバーター1回路の場合に比較し、ひずみ率、雑音特性、直線性など全体の性能は約2(=√4)倍に向上しています。
●ジッター量を大幅に抑えた
高性能ディジタル・オーディオ・インターフェースICの搭載
ディジタル・オーディオ・インターフェースICに、AK4118A(旭化成エレクトロニクス社製)を採用。このICに搭載された高精度PLL回路は、従来のICよりジッター量を大幅に削減したマスタークロックを再生し、DACの変換精度を大幅に改善。
24ビットまでのディジタル信号を復調可能、光入力および同軸入力に対しても、『MDS+方式』の能力を余すことなく発揮します。
●理想的な出力を実現する『Direct
Balanced Filter回路』
D/Aコンバーター出力の高周波領域には必ずイメージ・ノイズが発生するため、アナログ・フィルター回路で除去する必要があります。
フィルター回路には、通過域の周波数特性が極めてフラットな5次のバターワース型LPF(Low Pass Filter)を採用し、音楽信号に影響を与えないようにイメージ・ノイズを除去します。
また、ライン出力とバランス出力を同時に2台のプリアンプへ接続しても、お互いに影響しあわないように、それぞれの出力回路を独立構成としました。
さらに、バランス出力の-側信号は、+側信号を反転させて作り出すのではなく、D/Aコンバーターの差動出力から直接作り出します。
反転回路を必要とせず極めてシンプルな構成であるため、ひずみ率やSN比で高い性能を実現しています。さらに、+側と-側が対称な回路で構成されるため、出力インピーダンスが同じになり、理想的なバランス信号を出力。
一方、ライン出力はバランス出力の+側と同一の回路で構成しており、バランス出力とライン出力の音質差が少なくなっています。
このように、『Direct Balanced Filter回路』は、性能面と音質面で理想的な出力を実現しています。
●オリジナル高品位ディジタル・オーディオ・インターフェース
『HS-LINK Ver.2』を搭載
『HS-LINK Ver.2』は『HS-LINK Ver.1』のサンプリング周波数と量子化ビット数を拡張したオリジナルの高品位ディジタル・インターフェース。
DSD信号は5.6MHz/1bit(2ch)、PCM信号は384kHz/32bit(2ch)の高速伝送が可能。HS-LINKケーブル「AHDL-15」別売。
【 DP-570 特徴 】
●当社ヴォイシング・イコライザーの接続ガ可能
●高品位SA-CD/CDドライブ搭載
●ライン/バランス独立構成「Direct Balanced Filter」回路搭載
●低雑音を実現するディスクリート構成アナログ回路電源
●バランス出力の極性切替スイッチを装備
●曲順を変えられるプログラム演奏機能
●ハイカーボン鋳鉄製高音質インシュレーター
●アルミ材ヘアライン仕上げのトップ・プレート
●洗練されたエレガントなデザイン
●リモート・コマンダー「RC-140」を付属
●独立したプロセッサー部・HS-LINK、同軸、オプティカル、USBのディジタル入力端子を装備
●80dB まで可能な出力レベル・コントロールが可能
●ディスプレイにサンプリング周波数とビット数表示が可能