CL-1000 フロントパネル
CL-1000 リアパネル
CL-1000は、2015年に90周年を飾る製品として発売し、多くのユーザーの皆様から熱い支持を受ける直熱3極管300Bを採用した真空管ステレオパワーアンプMQ-300とペアになる待望のモデルです。
現在も多くの真空管製品をラインアップするラックスマンが、永い歴史と伝統により培われた技術とノウハウを余すところなく注ぎ込み、こだわり抜いた回路やパーツを始めとする内部構成と磨き込まれた魅力的な外装を身にまとうフラグシップ機に相応しい造り込みが施されています。
回路は、ラックスマンとして初採用となる高SNと中域の厚みそしてヌケの良さが魅力のJJ製高信頼管E88CC採用の2段増幅P-K
NF型、カップリングコンデンサーにはMQ-300の開発過程で新開発されたオリジナルのオイルコンデンサーを使用しています。
CL-1000の製品特長の根幹となる音量調節機構は、LECUTA(Luxman
Electric Controlled Ultimate Transfomer Attenuator / レキュタ)と名付けられた新開発のトランス式アッテネーターを採用。入力された音楽信号は、E88CC×2を使用したアッテネータードライバーアンプ(ゲイン+6dB)を通し、ファインメットRコアを採用する34タップのトランスアッテネーターと対を成す34個のリレーを介して同じくE88CC×2を使用するフラットアンプ回路で増幅されます。フロントパネルのボリュームノブは、音楽信号を一切通さずこのリレーを切り替えるための位置情報を選択する34接点構造となっています。小音量時も音痩せを起こさないトランスによる音量調整の利点を存分に発揮する構成です。
そして出力も、高い透磁率を誇るスーパーパーマロイコアのトランスをL/R独立で配備、さらにバランス入力に関しては同一のトランスをこれもL/R独立で採用。信号系統に抵抗を直列に挿入しないこだわり抜いた構成が貫かれています。(ラインストレートON時)
また、トランスの弱点となる帯磁による性能劣化に対しては、電源投入時に常に動作するアーティキュレーター(消磁機能
/ マニュアルでも操作可)を装備しており万全の対策を施しています。
外装は、3枚の肉厚アルミパネルを組合せ立体的で往年のデザインを彷彿させるフロントパネルに、節度ある操作感と精密な加工を施された各種ノブ類がバランスよく配置され、高品質なレトロモダンを具現化しています。組み合わされるコの字のウッドケースは、鮮やかなローズウッドのピアノ塗装仕上げを施し全体を華やかに彩ります。
満を持して発売となるCL-1000が純度の高く魅力あふれる真空管の音色で、MQ-300はもちろんのこと多くのパワーアンプとの組み合わせにおいてオーディオファイルを魅了します。
電子制御トランスアッテネーターLECUTA
コントロールアンプでもっとも重要といえる音量調節機構。CL-1000では新たに開発したLECUTA=Luxman
Electric Controlled Ultimate Transformer Attenuatorを搭載。トランスを活用したLECUTAは小音量時でも音痩せのしない豊かなサウンドが得られ、極めてロスの少ない最新鋭のファインメットRコアを採用することで、現代コントロールアンプに求められる透明感と豊かな情報量を実現します。このトランスから引き出されるタップには同数のリレーを組み合せ、理想的な信号経路と34ステップの精密な音量調節を実現。フロントパネルに取り付けられた34接点スイッチには音楽信号は流れず、リレーを制御する電子回路のボリューム位置検出コントローラーとして働くのみですが、音量調節のたびに絶妙なクリック感を楽しんでいただくため、あえて精密な機械式スイッチを採用しています。
※ファインメットRは、日立金属株式会社の登録商標です。
優美な外装デザイン
1975年発売のC-1000に範を求めた立体的な造形のフロントパネルは、最新の精密加工を施した、3枚の肉厚アルミを重ね合わせる精緻感あふれるデザイン。ウォールナットの突板にローズウッド色光沢塗装仕上げによる、コの字型ウッドケースとの組み合わせは優美で洗練された意匠です。
高剛性シャーシと振動対策
高速で電子が飛び交う真空管にとって外部からのノイズや振動はスムーズな信号伝送の大敵です。CL-1000では、セクションごとに仕切られた強固なボックス構造を採用。さらにアンプブロックを特殊な制振ゴムでフローティングし、振動やノイズによる影響を極小化することに成功しました。
高品位端子と鋳鉄製レッグ
上位モデルのみに許されるオーディオ専用パーツ。CL-1000では銅の導電率と真鍮の硬度を併せ持ったカッパーアロイ製高品位RCA入力端子を搭載。本体を支えるボトムには共振を排除するグラデーション鋳鉄製レッグを採用し、徹底した振動対策を施しました。
ACインレットと電源ケーブル
CL-1000のACインレットは、非磁性ニッケル処理と金メッキを施したハイグレードタイプ。電源ケーブルには、独自のノンツイスト構造による3.5スクエア高純度無酸素銅(OFC)線に金メッキプラグを採用したトップエンドモデル専用のJPA-15000を付属しました。
E88CCとトランスによる秀逸な回路構成
高SN比と中域の厚み、ヌケのよさが魅力の、JJ製高信頼双三極真空管E88CCをラックスマンとして初採用した、2段増幅P-K
NF型がCL-1000の基本構成です。アンプ回路には6dBのゲインを持たせることでLECUTAに最適な信号を送り、音量調整後の音声が出力段アンプに受け渡されます。さらに最終段には、スーパーパーマロイコアを採用したトランスをL/R独立で搭載し、安定した信号をパワーアンプに送り込みます。またバランス入力にも同質のトランスを採用。E88CCを使った本格的なNF型トーンコントロールも装備しました(バイパス可能)。音質を大きく左右するカップリングコンデンサーにはオリジナル開発のオイルコンデンサーを採用。トーンコントロールをバイパス時、直列に抵抗が入らないこの回路は、純度の高いエネルギー感あふれる伸びやかなサウンドが特徴です。
高性能入出力トランス
真空管アンプにとって音色や性能を決定づける上で重要なパーツとなるトランス。CL-1000では、出力トランスそしてバランス入力トランスに、低保磁力・高透磁率を誇るスーパーパーマロイコアをL/R独立で採用。これにより優れた広帯域特性、位相特性を実現しました。
ハイイナーシャ電源
CL-1000のパワーの源である電源回路部。大容量の電源トランスと瞬時の電源供給能力に優れた高品位なブロックコンデンサーをL/R別系統で分離する強力なハイイナーシャ(高慣性)電源回路構成を採用。セパレーションに優れ、瞬発力と安定性を兼ね備えた電源供給を可能としました。
アーティキュレーター機能
トランスの大敵ともいえる帯磁。その帯磁による性能劣化を防ぎ、本来の高いパフォーマンスを常に発揮させるためにCL-1000では、電源投入時毎に作動(マニュアル操作も可能)する発振周波数を利用した高精度アーティキュレーター(消磁)機能を搭載しました。
カスタムコンデンサー
回路間を接続するカップリングコンデンサーには、真空管ステレオパワーアンプMQ-300同様にオリジナルのオイルコンデンサーを搭載。緻密で厚みのある音質を獲得。また、同じくオリジナルの大容量低頭電解コンデンサーにより、小スペースでも余裕のある電流供給を実現しました。