アキュフェーズ創立50周年記念モデル。
アキュフェーズは02年に独自のボリュームコントロール技術「AAVA」を開発し、その後「C-3800」「C-3850」ではAAVAを2回路平衡駆動にした「バランスドAAVA」へと進化しました。
「C-3900」は「C-3850」をフルモデル・チェンジしてこの技術を更に進化、新たに「Dual
Balancedデュアル・バランスド・AAVA」(Lch/Rch正負合計8回路のAAVAを搭載)へと昇華させ、入力から出力まで全ての増幅回路を並列動作させることにより、更なる低雑音化と音質の向上を実現しました。
「Dual Balancedデュアル・バランスド・AAVA」は
「バランスドAAVA」を2回路並列駆動させることで、ノイズ成分を1/√2つまり約70%に減少させる技術です。「C-3900」はC-3850に比べてもノイズレベルが理論通り約30%も減少したといわれ、限りなく静寂な空間に音楽のみが広がるプリアンプへと進化しています。
■『Dual Balanced AAVA』搭載
プリアンプの音量調整機能は、オーディオ・システムの中でも特に高度なアナログ回路の設計技術が必要であり、音質を左右する最も重要な回路です。
アキュフェーズでは2002年、従来の概念を覆し、可変抵抗を使わずにボリュームをコントロールするAAVA(Accuphase
Analog Vari-gain Amplifier)を開発しました。
AAVAは可変抵抗体を音楽信号が通らないため、インピーダンスの変化による影響を受けることがなく、高いSN比と低いひずみ率を維持したまま音量を変えることができます。
また、可変抵抗体の接触面の劣化に影響されないため、初期性能を長期に渡って維持できる高い信頼性を兼ね備えています。
Balanced AAVAの誕生から10年となる2020年、並列型のBalanced AAVAである『DualBalanced
AAVA』を新たに開発し、C-3900に新たに搭載しました。
DualBalanced AAVAは、BalancedAAVAを2回路並列駆動することで、ノイズ成分を1/√2つまり約70%に減少させる技術です。C-3900では理論通り約30%の大幅なノイズ削減に成功しています。
■低雑音化技術
*『 Balanced AAVA』を2回路並列動作させる『Dual Balanced AAVA』を採用、
*雑音性能への影響が大きい出力アンプに強力な出力特性の4並列回路を採用、
*入力部で信号を大振幅化し出力部で信号と同時に雑音を圧縮する手法を採用、
*I-V変換アンプに『ANCC(Accuphase Noise and distortion Cancelling
Circuit) 』を採用
機種 C-3900 C-3850
定格出力時S/N: 118dB、 115dB
入力換算雑音: -130dBV -127dBV
■入力部には、カレント・フィードバック増幅回路を搭載
『Dual Balanced AAVA』の入力アンプは、非常に高速でローノイズかつ優れた高出力電圧特性を兼ね備えた、『MCS+』カレント・フィードバック増幅回路を4個で構成、インスツルメンテーション方式に発展させて搭載し、多数の『V-I変換回路』を強力にドライブしています。
また、入力バッファー部で信号を大振幅化して伝送、後段で信号と共に雑音を圧縮することで低雑音化を実現しました。高ゲイン化の為、電源電圧の自由度が高いディスクリートアンプを採用しています。
■高い分解能を実現した音量調整
AAVAは、ゲインの異なる16種類の『V-I変換回路』を電流スイッチで組み合わせることで音量を調整します。このとき可能な組み合わせは2の16乗、つまり65,536通りあり、その中から最適な音量の組み合わせを選択しているため、高い分解能での音量調整が可能。
■左右の連動誤差やクロストークから解放
AAVAは可変抵抗体を使用しない電子回路で構成され、高精度の部品を使用することにより、どの音量においても左右の音量差がほとんどありません。
また、各チャンネルを独立させることができるため、チャンネル間のクロストーク(左右間の音漏れ)もほとんど発生せず、1kHzで120dB(100万分の1)以下の漏れという驚異的なチャンネル・セパレーションを実現しています。
■高い信頼性
AAVAは、増幅器とボリューム調整とが一体化した新しい懸念の電子回路であるため、経年変化による性能や音質の劣化が少なく、長期に亘って高い信頼性を維持します。
■AAVAは純粋なアナログ回路
AAVAは、音楽信号を電圧から電流に変換、電流をスイッチで組み合わせてゲインをコントロール、再び電流から電圧に変換する純粋なアナログ回路です。
電流スイッチの切り替えは、CPU(マイクロ・プロセッサー)が正確に行います。
■アッテネーターや左右のバランス・コントロールもAAVA
左右の音量バランスやアッテネーターもAAVAで行いますから、アッテネーターや左右のバランス・コントロールの回路も不要となり、シンプルな構成と高性能・高音質を実現しています。
■高精度と低雑音を両立した『ANCC』採用I-V変換アンプ
I-V変換アンプに、主アンプの雑音とひずみを副アンプで打ち消す『ANCC』を採用しています。ボリューム操作時の雑音を低減するため主アンプには高精度アンプを採用し、
主アンプの雑音とひずみを打ち消すための副アンプには低雑音アンプを採用しています。主アンプと副アンプの最適な組み合わせにより、雑音とひずみの高性能化に加え、ボリューム操作時の雑音も更に改善されています。
■『I-V変換アンプ』から『出力バッファー・アンプ』まで
理想的なバランス伝送を実現
『Dual Balanced AAVA』の『V-I変換回路』で作られた電流は、特性の揃ったバランス型『I-V変換アンプ』により電圧信号に変換されバランス信号で出力されます。
次段のLINE、BALANCED、ヘッドフォーンの各アンプは独立した『バランス型出力バッファー・アンプ』で構成されていますので、それぞれの信号は干渉することなく出力されます。
■さらに動作音に配慮した、高精度・高剛性の『ボリュームセンサー機構』
AAVAではボリューム・ノブの位置を検出してその情報をCPUへと送り、CPUはその情報に基づいて電流スイッチのON/OFFを切り替えて音量をコントロールしています。
この時ボリューム・ノブの回転角を検出するのが『ボリュームセンサー機構』。
アルミブロックを超精密加工で削り出した硬く重い素材を用いることで、ノブ回転時の滑らかな動作、重厚な操作感、緻密な位置検出を実現しています。
リモート・コマンダーでの音量調整時には内蔵されたモーターが歯車を介してノブを回転されます。C-3900の『ボリュームセンサー機構』では歯車が常に一定の圧力を保つ様に改良された事で、かみ合い音は大幅に減り、より静かで快適な音量調整が可能。
■ボリューム操作時、アンプ本体の増幅度(ゲイン・モード)または
減衰量(アッテネーター・モード)を正確に表示
AAVAは、入力から出力までのアンプ全体の増幅度(ゲイン)をボリューム・ノブの回転により、正確に変化させることができ、その数値(dB)をレベル・ディスプレイ部に表示します。
■入力ポジションに対応した位相設定が可能
接続する機器によっては、入・出力信号の位相が逆の場合があります。C-3900 のフロント・パネル面にある、『PHASEボタン』位相を合わせることができます。また、入力セレクター、レコーダーなど全ての入力ポジションに対応した、入力端子毎に位相の設定およびメモリーが可能。
特にバランス接続の場合、入・出力の接続コネクターの極性に合わせて簡単に設定することができます。
■プリアンプのゲインを選択可能
アキュフェーズのプリアンプの標準利得は18dBですが、本機は全体の利得を12dB/18dB/24dBの3種類から選択することができます。
■高音質・長期安定性に優れた、
ロジック・リレーコントロール信号切替回路
入・出力端子やファンクションなどの切り替えは最適な場所にリレーを配置し、最短でストレートな信号経路を構成しています。
これらのリレーを電子的にコントロールするのが、ロジック・リレーコントロール方式です。
使用するリレーには通信工業用の密閉形リレーを採用し、その接点は片側2本の金貼り接点を交差させ、合計4か所で接触するクロスバーツイン方式で高信頼性と低接点抵抗・耐久性に優れた高いものを採用しています。
■プリント基板に、低誘電率・低損失の『ガラス布フッ素樹脂基材』を採用
信号伝送回路には、非常に高価な『ガラス布フッ素樹脂基材』によるプリント基板を採用しています。
この材料は、非常に低い誘電率と誘電正接をもち、高周波特性に優れ、耐熱性も良いので、主にマイクロ波と呼ばれるSHF帯を使用する衛星放送や高精度計測機器などに使われてます。
プリント基板の基材は、特に誘電率等が重要です、誘電率が低いほど信号の伝搬速度は速くなり、誘電正接が小さいほど伝送損失が小さくなります。
C-3900では銅箔面に金プレートを施し、さらに信頼性や音質の向上を図っています。
■ユニット・アンプ化した回路は左右独立構成、
8mm厚硬質アルミの強靭な構造部に固定
主なアンプ回路は、入力バッファー、AAVA、バランス出力、ヘッドフォーン・アンプなどの左右合計16ユニット・アンプ群で構成されています。
ユニット・アンプは、ガラスエポキシ基材のマザーボード上に、左右独立構成で配置しました。これらのユニット・アンプは、相互干渉しないように8mm厚の硬質アルミによるフレーム構造により強固に保持され、電気的干渉、物理的振動を抑制しています。
■左右独立の高効率トロイダル・トランスによる、
モノ・コンストラクション構成の理想電源
C-3900 は、電源トランスに、放熱フィン付き鋳造アルミケース入りの高効率トロイダル・トランスを2個採用しています。
また、フィルター用アルミ電解コンデンサーには、新規開発による10,000μFの大容量・高音質タイプを12個搭載、これを2ブロックにして左右を独立させ、電源トランスとともにモノフォニック仕様の余裕ある電源部を構成しています。
■音質重視の専用ヘッドフォーン・アンプ回路を内蔵
C-3900 は、本格的なヘッドフォーン専用のアンプを設け音質に配慮し、AAVA方式ボリューム・コントロールにより高音質でヘッドフォーン出力を可変することが可能です。
ヘッドフォーン感度にあわせて、ヘッドフォーン出力レベルをLOW / MID / HIGHの3段階(MIDを基準にして±10dB)に切り替えるスイッチを装備し、ボリューム位置の調整が可能です。アンプの回路方式は、フル・ディスクリート構成を採用しています。
■合計11系統の入力端子と5系統の出力端子を装備
プログラムソースの多様化に備えて、多くの入・出力端子を装備しています。
入力端子はRCAラインが6系統、バランスが4系統、レコーダーPLAYが1系統の合計11系統です。選択された入力はパネル面に文字で表示されます。出力端子はRCAラインが2系統、バランスが2系統、レコーダーRECが1系統の合計5系統となります。
■外部プリアンプとの切り替えができる『EXT PRE』機能を搭載
■小音量で聴く場合に聴感上のエネルギー・バランスを調整する3段切替の『コンペンセーター』機能を搭載
■重量級ボトム・プレートとアドバンスド・ハイカーボン鋳鉄製の高音質インシュレーターを採用
■美しい木目の重厚な自然木本木目仕上げのウッドケース
■5芯のマルチ構造による極太のOFC導体を採用した電源コード「APL-1」付属
■ラインケーブル「ASL-10B」付属
C-3900
フロントパネル
C-3900
リアパネル
●アナログ・レコードの演奏は、
オプションのステレオ・フォノ・アンプC-47を
接続すれば、高品位な再生が可能です。
別売
ステレオ・フォノ・アンプC-47 715,000円(税込)
*掲載中>新発売フォノイコライザー・アンプC-47
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C-47はシリーズで初めて、入力から出力までフル・バランス構成を実現した最高位フォノ・イコライザー・アンプです。外来ノイズに強いバランス構成を採用した上で、カートリッジの特性に合わせて最適化したMC/MM専用ヘッド・アンプと高精度イコライザー・アンプにより、極限の低雑音と高精度なRIAA偏差を実現しました。また、新たにMC専用フォノ・バランス入力端子を装備することにより、バランス出力を装備しているアナログ・プレーヤーとのバランス接続に対応しています。カートリッジの魅力を余すところなく表現するC-47が、深い感動をお届けします。
C-3900のモノ・コンストラクション構成の内部レイアウト
C-3900のモノ・コンストラクション構成の内部レイアウト